MOSAIC.WAV

今やSyntax Errorという言葉は、時のかなたに懐かしい。秋葉原系という音楽ジャンルが生まれつつあり、昨今の仕事柄、耳にする機会が多いのだが、先日も、事務所の仲間に勧められてMOSAIC.WAVというユニットのCDを聴いた。「We Love AKIBA-POP」と名付けられたそれは、意外にも懐かしさと暖かさに満ち、不思議な感慨を僕に与えた。その中に「電気の恋人」という曲がある。一聴して思い出すのは、1995年の戸田誠司のアルバム「Hello World :)」である。Macintoshによる音声合成の、Hello Worldという洒落た台詞で始まり、テクノポップの行く先を予感させるような、素敵な曲が散りばめられていた。戸田誠司もいい加減、歌が下手(笑)だったが、MOSAIC.WAVの歌も誉められたレベルではない。しかし、それはこの際関係なく、コンセプトと歌詞とフレーズの純粋さで聴かせるあたり、テクノロジーを操るアーティストとしては、面目躍如なのである。「電気の恋人」は、戸田の持っていた、人間とコンピューターとの出会いというコンセプトを敷衍しながら、20世紀の人間では超えられなかった壁を、21世紀流の闊達さで、軽やかに飛び越えてみせる。その響きは、既に未来へと足を踏み出しているかのようだ。しかし、同じ音楽を創作の手段として選んだ人間、という立場を離れてみると、僕と彼らには、とても近い意識を生きていながら、根本的な違いがあることに気付く。僕らは、未来に憧れた世代。SFや、特撮映画や、万国博覧会や、あらゆる機会を通じて、想像の中に未来への光を求め、それを手にすることを願った。僕の夢は、16bitでも8bitでもなく、アポロ11号と共に月に飛んだ、NORゲートのコンピューターの中にある。しかし、生まれたときから電子機器に囲まれ、ごく当たり前のように、データと情報の世界に飛び込んでゆく彼らこそは、電気の申し子。未来を手にする世代なのかもしれない。
We Love AKIBA-POP!!
MOSAIC.WAV We Love AKIBA-POP!!

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