Science Fiction Museum

画像
シアトルはダウンタウン、万博の名残を今に留めるスペースニードルのすぐ傍に、Experience Music Projectがある。マイクロソフト創設者のポール・アレンが出資し、ビルバオ・グッゲンハイム美術館で有名な、フランク・オーウェン・ゲーリーのデザインによる、不思議な建築物。古今の音楽の歴史を紐解き、再発見するための重要な施設だが、今回の話はそれについてではない。その一部分を使って併設されたScience Fiction Museum、SFMこそ、今回の眼目だ。空想科学の博物館なんて、如何なものかと、実際に訪れてみるまでは半信半疑、どうせ金持ちの道楽であれば、どこかの遊戯施設よろしく子供騙しで、他人に話して笑いが取れる程度のものかと思っていたが、その収蔵品を目の当たりにして驚いた、いや、正直すまんかった。「ブレードランナー」はタイレルの姪であるレイチェルの衣装が本物。「スタートレック」テレビシリーズはウィリアム・シャトナーが演じたカーク船長がいつも腰をおろす司令室の椅子が本物。宇宙英雄物語をはじめ様々な漫画や映画の元ネタとなった不朽の名作小説「宇宙のスカイラーク」の、1919年版タイプライター稿綴本が本物。元来マニアというものは物持ちが良いものだが、それにしても展示された品々の保存状態は実に良好で、まさかこんなものが見られるとは思わなかった秘蔵の逸品の数々。SF創生期から詠々と受け継がれた遺物やら記念品が、時間と空間の隔たりを越えて、アジアの片隅からやってきた一SFファンである僕の魂を揺り動かす。感慨に耽りながら、巨大なケージの中に目を向ければ、それがまた、原寸大に作られたエイリアンクイーンのモデル。(ジェームズ・キャメロン所有)そのリアルなサイズ感に圧倒され、ああ確かにこういう怪物に襲われたら、人間などひとたまりもないなあと。映画で見ても模型を見ても、格好良いとは思いつつ、いまひとつ恐怖の実感が湧かなかったのに、改めて目の前に立って見上げると、有無を言わさぬ存在感で。その横に、これまた原寸大に複製されたパワーローダーがあるのだが、たとえ自分がこれに搭乗したとしても、まったくエイリアンクイーンには勝てる気がしないあたり、真っ向から立ち向かったリプリーの勇気は凄い、などと変な感心をしてしまったのだった。このミュージアムの設立には、アドバイザーとして、グレッグ・ベアやブラッドベリ、スコット・カード、ルーカスやスピルバーグも協力しているそうだ。入館料は$12.95。訪れるときは、是非、SFに詳しい友人と一緒に。(笑)
http://www.sfhomeworld.org/